子どもの発音はいつごろ完成する?年齢別の目安と相談タイミングを言語聴覚士が解説
「うちの子の発音が気になるけど、これって普通?それとも相談した方がいい?」
「何歳になったら発音が整うの?いつまで様子を見ればいい?」
「カ行やサ行がうまく言えないけど、家庭で何かできることはある?」
そんなパパ・ママへ、この記事を書きました。
こんにちは。現役言語聴覚士(ST)の「こん」です。療育センターで25年以上、発音の訓練に関わってきた経験から、よくある疑問にSTの視点でお答えします。
この記事では、
- 発音の発達目安(何歳で何の音が言えるか)
- 発音が正しく言えない原因
- 行別の発音の特徴と家庭でできること
- 家庭でできる発音の練習・遊び
- 専門家への相談のタイミング
をSTの視点からわかりやすくお伝えします。「うちの子の発音は大丈夫?」をこの記事で確認してみてください。
年齢別・発音の発達目安|何歳で何の音が言えるか
子どもの発音は、成長とともに少しずつ整っていきます。年齢に応じた目安を知ることで、適切な対応ができるようになります。
0〜1歳|音を聞いて声を出す準備期間
発音そのものよりも、音を聞き・声を出す準備を整える時期です。この時期に特に発音を心配する必要はありません。
1〜2歳|単語の発音が始まる時期
1歳を過ぎると単語を少しずつ発音し始めます。最初ははっきりしない発音でも、成長とともに明瞭になっていきます。まだ多くの音は不明瞭で、聞き慣れた人が理解できる程度で十分です。
3〜5歳|発音の基礎が整う時期
| 年齢 | 発音の発達の目安 |
|---|---|
| 3歳ごろ | 母音(あいうえお)と簡単な子音(タ行・ナ行など)はほぼ正確に発音できる。カ行・サ行・ラ行はまだ不明瞭なことが多い |
| 4歳ごろ | カ行が徐々に明瞭になり始める。発音できる音が増え、家族以外にも通じやすくなる |
| 5歳ごろ | ほとんどの音を正確に発音できるようになる。サ行・ラ行は習得が遅めで、5〜6歳まで時間がかかることもある |

「もう4歳なのにカ行が言えない!」と焦る前に、まずこの目安を確認してください。音によって習得年齢は大きく異なります。タ行(2〜3歳)・カ行(3〜4歳)・サ行(4〜5歳)・ラ行(4〜6歳)と、音ごとに習得の時期が違うので、一律に「遅い・早い」と判断しないことが大切です。
発音が正しく言えない原因とは
① 口腔機能の問題
反対咬合・舌小帯短縮症・口唇口蓋裂・鼻咽腔閉鎖不全などがある場合、正しく発音するための困難さが生じることがあります。これらは歯科検診や1歳半健診でもチェックされます。「ふがふが」した声が続く場合は保健センターや耳鼻科に相談しましょう。
② 口腔機能の未熟さ
カ行は舌の奥を上顎に当てて弾く音、サ行は舌と上顎で息の摩擦を作る音など、日本語の発音には細かい筋肉のコントロールが必要です。この力がまだ発達していない場合、特定の音が言えないことがあります。
③ 単純な発達のゆっくりさ
口の筋肉や聴覚の発達がゆっくりな場合、発音の習得も少し遅れることがあります。多くの場合は成長とともに自然に改善します。

原因が何であれ、「適切な時期に適切な対応をすること」が発音改善の一番の近道です。心配な場合は一人で抱え込まず、まず保健センターや言語聴覚士に相談してください。
【行別】発音の特徴と家庭でできること
お子さんが気になる音をクリックして、詳しい記事をご覧ください。
タ行(たちつてと)が言えない
チャ行への置き換え(「たこ」→「ちゃこ」など)が最もよく見られます。習得年齢は2〜3歳ごろと比較的早めの音です。遊びを通じた口・舌の動きで自然に育てましょう。
→ 子どもが「たちつてと」を言えない原因と家庭でできる練習法【言語聴覚士が解説】

カ行(かきくけこ)が言えない
タ行への置き換え(「かか」→「たた」など)が最もよく見られるパターンです。習得年齢は3〜4歳ごろ。うがい遊びなど舌の奥を使う遊びが家庭での練習に効果的です。
→ 子どもが「かきくけこ」を言えない原因と家庭でできる練習法【言語聴覚士が解説】

サ行(さしすせそ)が言えない
タ行・シャ行などへの置き換えが見られます。習得年齢は4〜5歳ごろ。発音シリーズの中で習得が遅めの音です。息のコントロール遊びが効果的です。
→ 子どもが「さしすせそ」を言えない原因と家庭でできる改善練習法【言語聴覚士が徹底解説】

ラ行(らりるれろ)が言えない
ダ行への置き換え(「らいおん」→「だいおん」など)が最もよく見られます。習得年齢は4〜6歳ごろで、発音シリーズ中で最も習得に時間がかかる音です。
→ 子どもが「らりるれろ」を言えない原因と家庭でできること【言語聴覚士が解説】

吃音(どもり)が心配
「ぼ、ぼ、ぼくは」のようにことばが繰り返される・詰まるといった吃音は、発音の問題とは別のアプローチが必要です。2〜5歳に多く見られ、自然に改善することも多いです。
→ 子どもの吃音(どもり)が心配なパパ・ママへ|原因・家庭でできる対応を現役言語聴覚士が解説


「うちの子はどの行が気になる?」と一つずつ確認してみてください。音によって習得年齢・原因・家庭での対応が大きく異なります。まず該当する記事を読んでから、相談が必要かどうかを判断してください。
家庭でできる発音の練習・遊び
発音の改善には、日常の遊びの中で口・舌・息を使う機会を増やすことが大切です。「練習」と意識しすぎず、楽しく取り組むことが一番です。
2〜4歳向け:口・舌をたくさん動かす遊び
- あっかんべー・舌のまねっこ遊び
- ペロペロキャンディ・アイスを舐める
- シャボン玉・ストロー遊びなど吹く遊び
- 固いものを噛む・スルメを噛む
→ 2〜4歳の発音改善に効く遊び7選|カ行・サ行が言えない子への家庭でできる練習法【言語聴覚士が解説】

4〜5歳向け:ことばを使った遊び
- しりとり・なぞなぞ
- 〇のつくことば集め
- 絵本の読み聞かせ
- ひらがな学習
→ 【4〜5歳向け】家庭でできる楽しい発音改善遊び5選【言語聴覚士が解説】


発音の練習で絶対にやってはいけないことがあります。「ちゃんと言って!」「もう一回言って」と繰り返させることです。子どもはすでに精一杯話しています。繰り返しの矯正はことばへのプレッシャーになり逆効果です。遊びの中で楽しく、が鉄則です。
専門家への相談のタイミング
1〜4歳の場合
「ふがふが」した声の出し方(鼻から声が漏れる感じ)がなければ、遊びと関わりを続けながら様子を見てOKです。「ふがふが」が続く場合や声の出し方が気になる場合は、3歳児健診の際に保健師さんに相談しましょう。
5歳以上の場合
以下の場合は専門家への相談をおすすめします。
- 特定の発音が常に誤っている(例:「せんせい」が必ず「てんてい」になる)
- お子さん自身が発音の誤りに気づいて、話すことをためらっている
- 就学前(6歳まで)に改善しておきたい
言語聴覚士に相談するには
- 保健センター:まず電話で「発音が気になる」と相談してみましょう。言語聴覚士の相談日や専門機関を案内してもらえます
- 療育センター・発達支援センター:言語聴覚士が常駐していることが多いです
- かかりつけ小児科:相談すると専門機関への紹介状を書いてもらえます
- 言語聴覚士協会:「〇〇県 言語聴覚士協会」で検索すると地域の相談先が見つかります

発音の問題は、適切な時期に適切な指導を受けることで、改善が期待できます。心配しすぎず、でも「そろそろかな」と思ったら早めに相談してください。早く相談しすぎた、ということはありません。
まとめ
① 音によって習得年齢は異なる
タ行(2〜3歳)・カ行(3〜4歳)・サ行(4〜5歳)・ラ行(4〜6歳)。年齢だけで判断せず、音ごとの目安を確認しよう。
② 行別の記事で詳しく確認しよう
カ行・サ行・タ行・ラ行それぞれに、原因・家庭でできること・相談のタイミングをまとめた記事があります。
③ 迷ったらまず保健センターへ
「相談するほどでもないかな」と思っていても、電話一本で専門家の意見が聞けます。早めに相談するほど選択肢が広がります。

発音の心配は、パパ・ママにとって毎日の小さなモヤモヤになりがちです。「これって普通?」「相談すべき?」という迷いが続くなら、それがすでに相談のサインです。一人で抱え込まず、ぜひ専門家を頼ってください。
発音シリーズの記事一覧








