子どもが「たちつてと」を言えない原因と家庭でできる練習法|いつまで様子見でいい?【言語聴覚士が解説】
お子さんが「たちつてと」を発音するとき、「ちゃちちゅちぇちょ」に聞こえることはありませんか?たとえば「たこ」が「ちゃこ」、「て」が「ちぇ」のように聞こえる、といったケースです。
「いつになったら上手に言えるようになるの?」「このまま様子を見ていて大丈夫?」と心配になりますよね。
この記事では、子どもの「タ行」の発音に関する問題とその対処法について、言語聴覚士の視点からわかりやすく解説します。
「タ行」の発音が言えるようになる年齢の目安
一般的に、「タ行」の音は2〜3歳ごろに習得されます。カ行(3〜4歳ごろ)やサ行(4〜5歳ごろ)と比べると、タ行は比較的早く習得される音です。
タ行は、舌の先を上の歯の裏(歯茎)にあてて息を破裂させることで出す音です。舌の動きとしては比較的シンプルなため、多くの子どもが2〜3歳のうちに自然に身につけていきます。
ただし、発音の発達には個人差がありますので、3歳を過ぎてもタ行の発音が気になる場合は、以下のパターンを参考に確認してみてください。

タ行はカ行(3〜4歳)やサ行(4〜5歳)より早く習得される音です。「もう3歳なのに!」と焦らなくて大丈夫です。これから紹介する遊びをまずはやってみてくださいね。
「タ行」が言えない原因とその特徴
タ行の発音の誤りには、大きく分けて以下のパターンがあります。お子さんがどのパターンに当てはまるかを確認してみましょう。
1.「タ行」が「チャ行」に置き換わる場合
「タ行」の音を「チャ行」に置き換えて発音するパターンです。
- 「たこ」→「ちゃこ」
- 「とんぼ」→「ちょんぼ」
これは舌の先の動きのコントロールがまだ未熟なために起こります。3歳ごろまでは自然に改善されることがほとんどですが、4歳を過ぎても改善が見られない場合は専門家への相談をおすすめします。
2.「ダ行」が「ザ行」に置き換わる場合
タ行と一緒に確認したいのが「ダ行」の発音です。「ダ行」が「ザ行」に置き換わるパターンがあります。
- 「でんしゃ」→「ぜんしゃ」
- 「どうぞ」→「じょうじょ」
タ行・ダ行はペアになっている音(タ行が無声音・ダ行が有声音)のため、両方の発音を一緒に確認しておくとよいでしょう。
3. 不明瞭で聞き取りにくい場合
「タ行」の音は出ているけれど、全体的に発音がこもって聞き取りにくい場合もあります。口の開き方や舌の力の入れ方が不十分なことが原因です。

2〜3歳のお子さんは、正しい発音の練習途中であると同時に、正しく聞き分けることを吸収しています。まだ、発音を正すよりよりも、正しいことばを繰り返し聞かせることが一番の近道です。「ちゃこ!」→「そうだね、たこ、だね」と自然に正しい発音を示してあげましょう。
家庭でできること|遊びを通じて口・舌の動きを育てよう
タ行は2〜3歳で習得される比較的発音しやすい音のため、カ行の「うがい練習」やサ行のような直接的な発音練習は必要ありません。それよりも、日常の遊びの中で口や舌をたくさん動かすことが、自然な発音の発達につながります。
① 舌を意識する遊び
「あっかんべー」と舌を出す遊びや、ママ・パパが舌を上・下・右・左に動かして子どもがまねっこする「舌のまねっこ遊び」がおすすめです。アイスクリームやペロペロキャンディを舐める遊びも、舌を上手に使う練習になります。
② 口の筋力をアップする遊び
「にらめっこしましょ、あっぷっぷ」遊びや頬をふくらませてつつく遊びなど、口周りの筋肉を意識する遊びが効果的です。
③ まねっこ発音遊び
「ピンポーン」「チン」「ブッブー」など擬音語を使った音あてクイズや、擬音語が豊富な絵本の読み聞かせも、正しい発音を自然にインプットする機会になります。
④身体を使った遊び
正しい発音には、唇や舌を繊細に動かす事が必要です。唇や舌を細かく動かすには、まず、大きな動きを自分でコントロールする力が必要になります。なので、公園等で走ったり、登ったり等身体を思い切り動かして遊ぶことをオススメします。
⑤手先の細かい動きが必要な動作・遊び
身体を使った遊びと同様に、手先の細かい動きが上手になってくると、発音も徐々に上手になってきます。スプーンやフォークなどの道具を使って食べる。クレヨンでお絵かきをする、新聞や紙を破る、小さいおやつを指先でつまんで食べる等、親が手を出しすぎず、お子さん自身が自分で試行錯誤していくことで上手になっていきます。
これらの遊びの詳しいやり方は、こちらの記事で解説しています。

公園で思い切り身体を使って遊ぶ、食事は手づかみやスプーン・フォークを使って、自分で食べさせる等、一見、発音と関係なさそうなことでも、発音のためにできることはたくさんあります。
言語聴覚士への相談のタイミング
以下に当てはまる場合は、言語聴覚士などの専門家に相談することをおすすめします。
- 4歳を過ぎてもタ行の発音が悪い
- お子さん自身が発音を気にしている、またはからかわれている
- 就学前(6歳まで)に改善しておきたい
- タ行以外の音でも発音が気になるものがある

極稀にですが、発音に必要な口や舌の構造の問題で、発音しにくくなっていることがあります。音が鼻から漏れているかも!しゃべり方がちょっと変だな、と感じていたら、耳鼻科、歯科に相談してみましょう。
言語聴覚士に相談するには
- お住まいの地域の保健センターに「発音が気になるので相談したい」と電話してみましょう。保健師さんが言語聴覚士の相談日や専門機関を紹介してくれます
- 療育センター・発達支援センターに「発音が気になるので相談したい」と連絡してみましょう。言語聴覚士が常駐していることが多いです
- かかりつけの小児科医に発音について相談すると、適切な相談先を紹介してもらえます
- かかりつけの耳鼻科医に発音について相談すると、聞こえ、喉、顎、舌等の器官を見てもらえます。必要に応じて相談先を紹介してもらえます
- お住まいの都道府県の言語聴覚士協会に問い合わせると、地域の相談先を教えてもらえます(例:「千葉県 言語聴覚士協会」と検索してみてください)

お子さん自身が「うまく言えない」「笑われた」と気にしている場合は、なるべく早く相談に行ってください。園での対応方法についても相談でき、「今すぐ練習が必要」「もう少し様子見でいい」など具体的な方針も分かります。
まとめ
- タ行は2〜3歳ごろに習得される比較的早い音。カ行(3〜4歳)・サ行(4〜5歳)より早めに習得される
- 「チャ行への置き換え」が最もよく見られるパターン。3歳ごろまでは自然に改善されることが多い
- 家庭では直接的な発音練習より、遊びを通じた口・舌の動きを育てること、身体や指先を使った運動をすることが大切
- 4歳を過ぎても改善が見られない場合、またはお子さん自身が気にしている場合は言語聴覚士へ相談を

タ行はカ行・サ行と比べて習得が早い音ですが、だからこそ「まだ言えないの?」と焦ってしまうママ・パパも多いです。でも発音の発達には個人差があります。適切な時期に適切なサポートをすることで改善が期待できますので、一人で抱え込まずに専門家を頼ってくださいね。
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