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吃音のある子の幼稚園・保育園への伝え方|先生にお願いしたい配慮を言語聴覚士が解説

吃音のある子の幼稚園・保育園への伝え方|先生にお願いしたい配慮
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「先生に吃音のことを伝えた方がいいのか、どう伝えればいいのか分からない」

 子どもに吃音があると分かったとき、幼稚園・保育園の先生にどう伝えるかで悩む親御さんはとても多いです。「伝えることで特別扱いされてしまわないか」「かえって先生が意識しすぎてしまわないか」という不安もありますよね。

 この記事では、言語聴覚士の視点から、先生への伝え方・お願いしたい配慮の内容・からかいへの対応依頼まで、具体的にお伝えします。

ママ
ママ

子どもに吃音があるのですが、幼稚園の先生に伝えた方がいいですか?どう伝えればいいか分からなくて…。

ST「こん」
ST「こん」

基本的には伝えることをおすすめします。何をどう伝えるか、整理してお話しますね。

STこん

言語聴覚士歴25年以上|STこん

この記事はこんな方に読んでほしい
・子どもの吃音を幼稚園・保育園の先生に伝えるべきか迷っている
・先生にどう伝えれば、適切に対応してもらえるか知りたい
・からかいや発表場面での配慮をどうお願いすればいいか知りたい

先生に伝えた方がいい?——基本的な考え方

 結論から言うと、担任の先生には伝えておくことをおすすめします。

 先生が吃音のことを知っていれば、どもっているときに待って聞いてあげられます。一方、知らないまま「ゆっくり言って」「もう一度言って」と指示してしまうと、子どもが「うまく話せない」という経験を積み重ねることになりかねません。

 「特別扱いしてほしいのではなく、自然に関わってほしい」という気持ちも含めて、丁寧に伝えることが大切です。

STこん
STこん

先生に伝えることで、子どもが意識してしまわないか」と心配される方もいます。でも、先生が知らないまま不適切な対応をしてしまう方が、子どもへの影響は大きいです。正しく伝えた方が、子どもにとって安心できる環境ができます。

伝えるタイミング——入園前?入園後?

 入園前(入園説明会・面接のタイミング)に伝えるのがベストです。担任が決まる前に園側に情報が共有されるため、クラス編成や担任の配慮に活かしてもらえる可能性があります。

 すでに入園している場合は、早めに担任の先生に時間を取ってもらい、直接話す機会を設けましょう。連絡帳で「一度お時間をいただけますか」と打診するのがスムーズです。

先生に伝える内容——5つのポイント

 伝える内容を事前に整理しておくと、短い時間でもスムーズに話せます。以下の5つを意識してみてください。

① 吃音があること・どんな症状が出ているか

 まず「吃音(どもり)があります」と伝えた上で、どんな症状が出ているかを具体的に話しましょう。「最初の音を繰り返します(例:ぼ、ぼ、ぼくね)」「興奮しているときや急いでいるときに出やすいです」など、日常的に観察していることを共有してください。

② 子ども本人が気にしているかどうか

 「本人はどもりをあまり気にしていません」「話すことは好きで積極的に話そうとします」など、子どもの様子も伝えましょう。本人が気にしていない段階では、先生も普通に接してもらうことが一番です。逆に、本人が「うまく言えない」と感じ始めている場合は、その旨も伝えてください。

③ 家庭でやっていること・やっていないこと

 「家では指摘せず、ゆったり聞くようにしています」「言い直しはさせていません」など、家庭での関わり方も共有しておくと、先生も足並みをそろえやすくなります。

④ お願いしたい配慮の具体的な内容

 「どもっているときは最後まで待って聞いてください」「言い直しの指示はしないでください」など、具体的にお願いしたいことを伝えます。詳細は次の章でご紹介します。

⑤ 専門家に相談中かどうか

 言語聴覚士などの専門家に相談中の場合は、その旨も伝えておきましょう。「専門家からこういう関わり方を勧められています」と伝えると、先生も対応の根拠が分かって動きやすくなります。

先生にお願いしたい具体的な配慮

どもっているときは、最後まで待って聞いてほしい

 どもりが出ているとき、先生が先取りして「○○ってこと?」と言葉を補ってしまうことがあります。気遣いからの行動ですが、子どもは「自分では話せない」という経験を積んでしまいます。どもっていても、最後まで目を見て待って聞いてもらえるよう、お願いしましょう。

「ゆっくり言って」「もう一度言って」は言わないでほしい

 「ゆっくり言って」という言葉は、子どもに「うまく話せていない」という意識を強めてしまいます。どもっている最中に修正の指示をすることは逆効果です。先生自身がゆったりとした話し方をしてくれるだけで、子どもは安心して話せるようになります。

発表・劇・歌などの場面での配慮

 お遊戯会・発表会・朝の会での発言など、みんなの前で話す場面は、吃音のある子どもにとって緊張しやすい状況です。以下の点をお願いしておくと安心です。

・発表の役割や台詞は、あらかじめ子どもと相談して決めてほしい
・「言えなかったら先生が助けるよ」と事前に声かけしてほしい
・どもっても「大丈夫だよ、待ってるよ」という雰囲気を作ってほしい
・発言を免除するのではなく、本人が話せる形で参加できるよう工夫してほしい

STこん
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「話す場面から外してあげよう」という先生の優しさが、子どもの「自分は話してはいけない」という気持ちにつながることがあります。参加させないのではなく、安心して参加できる形を一緒に考えてもらうことが大切です。

友達からのからかいへの対応をお願いする

 「どもってる」「変なしゃべり方」と言われたり、真似をされたりすることがあります。こうした行為が繰り返されると、子どもは話すこと自体を怖いと感じるようになります。

 先生にお願いしたいこと:
・からかいや真似が起きたとき、その場で「それはやめようね」とはっきり伝えてほしい
・クラス全体に「お友達が話しているときは最後まで聞こうね」という雰囲気を作ってほしい
・吃音のことをクラスで説明する場合は、事前に親と相談してほしい

連絡帳か口頭か——伝え方の選び方

 吃音のことを伝える方法として、連絡帳と口頭(面談・お迎え時)のどちらがいいか迷う方も多いです。

 おすすめは「最初は口頭、補足は連絡帳」の組み合わせです。

 口頭で伝えるメリットは、先生の反応を確認しながら話せること、質問や不明点をその場で解消できることです。「お時間よろしいですか」とお迎えのときに少し時間をもらうか、面談の機会を活用しましょう。

 その後、「先日お話しした件ですが」と連絡帳でフォローしておくと、先生も記録として残せて、クラス内で情報共有もしやすくなります。

伝えた後のフォロー

 先生に伝えたら終わりではありません。定期的に子どもの園での様子を確認することが大切です。

・連絡帳や送迎時に「最近はどうですか?」と様子を聞く
・子ども本人に「園は楽しい?」「お友達と話せてる?」と穏やかに聞く
・気になる変化(話すことを嫌がる、登園を渋るなど)があれば早めに先生に相談する

STこん
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先生と保護者が同じ方向を向いて関わることが、子どもの安心につながります。「報告・連絡・相談」をこまめにすることで、先生との信頼関係も築けますよ。

まとめ

 吃音のある子の幼稚園・保育園への伝え方についてまとめます。
・担任の先生には基本的に伝えておくことをおすすめ
・入園前のタイミングが理想、入園後でも早めに伝える
・症状・本人の様子・家庭での関わり・配慮のお願いを整理して伝える
・「最後まで待って聞く」「言い直しの指示をしない」「発表場面の配慮」「からかいへの対応」を具体的にお願いする
・最初は口頭で、補足は連絡帳の組み合わせがスムーズ
・伝えた後も定期的に様子を確認し、先生と連携を続ける

 先生と一緒に、子どもが安心して話せる環境を作っていきましょう。

STこん
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「うまく伝えられるかな」と不安な方は、この記事を印刷して先生に見せる形でも大丈夫です。正確な情報が届くことが何より大切です。

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よくある質問(Q&A)

  1. Q1. 先生に伝えることで、子どもが「自分はどもりがある」と意識しすぎてしまいませんか?

    先生への情報共有は子どもに直接伝えるものではありません。先生が正しく知っていることで、適切な関わりができます。子ども本人への伝え方は、年齢や本人の気づきに合わせて、別の機会に改めて考えていきましょう。

  2. Q2. 担任の先生以外にも伝えた方がいいですか?

    担任の先生が把握していれば、基本的には十分です。ただし、副担任や支援員など子どもに直接関わるスタッフが複数いる場合は、担任から共有してもらえるようお願いしておくと安心です。

  3. Q3. 先生の対応が不十分だと感じたらどうすればいいですか?

    まず担任の先生に再度伝える機会を作りましょう。それでも改善しない場合は、園長や主任に相談することも一つの方法です。また、言語聴覚士などの専門家から園に連絡してもらうことが、適切な対応につながるケースもあります。

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管理人(こん)
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現役言語聴覚士(ST)
こんにちは。言語聴覚士(ST)の「こん」です。 1999年に言語聴覚士の資格を取得後、保健センターでの相談業務を経て、25年以上にわたり小児専門のSTとして療育・発達支援の現場で働いてきました。現在も現役STとして、ことばの発達に悩むお子さんと日々関わっています。 臨床の現場で感じることがあります。ことばがゆっくりなお子さんを持つパパ・ママが、毎日どれだけ迷いながら、心配しながら子育てをしているか、ということです。 「もっと楽しく子育てしてほしい」——そんな思いでこのブログを始めました。 25年以上の臨床経験をもとに、今日から家庭で実践できる関わり方・遊び・おもちゃ・絵本の使い方を、専門家の視点でわかりやすくお届けします。一人で悩まずに、ぜひ一緒に考えていきましょう。
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