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ことばの発達・遅れ

言語聴覚士に相談すると何をするの?検査・訓練の内容を現役STがわかりやすく解説

言語聴覚士に相談
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「言語聴覚士に相談してみようかな。でも、何をされるのか不安で…」

そう感じて、一歩踏み出せずにいませんか。

「検査って難しそう」「子どもが嫌がったらどうしよう」「いきなり診断されたら…」——こうした不安から、相談を先延ばしにしてしまう親御さんは少なくありません。

私は言語聴覚士として25年以上、療育センターで多くのお子さんとご家族に関わってきました。この記事では、初めて言語聴覚士に相談するときの流れを、実際の現場をもとに正直にお伝えします。読み終えたとき、「それなら行ってみようかな」と感じてもらえれば嬉しいです。

言語聴覚士とは?

言語聴覚士(ST)は、ことば・きこえ・飲み込みの専門家です。国家資格を持ち、病院・療育センター・民間の療育施設・学校など、さまざまな場所で働いています。

お子さんの場合は主に「ことばの遅れ」「発音の問題」「コミュニケーションの困り感」「吃音(どもり)」などを専門に見ます。医師のように薬を処方したり、診断を下したりするのではなく、「その子に合った関わり方を一緒に考えるパートナー」というイメージが近いです。

ST「こん」
ST「こん」

「言語聴覚士」という名称はまだ広く知られていませんが、ことばに関する悩みを持つ親御さんにとって、最も頼りになる専門家のひとりです。

初回相談では何をするの?

初めての相談では、いきなり難しい検査をすることはほとんどありません。大きく3つのステップで進むことが多いです。

① 親御さんへの聞き取り(問診)

まず、親御さんからお子さんの様子を詳しく聞かせてもらいます。

生まれたときの様子・成長の経緯・気になり始めた時期・家庭での様子・保育園や幼稚園での生活——こうしたことを丁寧に聞いていきます。「何が正解か」を答える必要はありません。気になっていることを、思いつくままに話してもらえれば大丈夫です。

この問診は「情報を集めるため」だけでなく、親御さんの不安や疑問を整理する時間でもあります。「こんなことを聞いてもいいのかな」と思うことも、遠慮なく話してください。

② お子さんとの遊び・観察

問診と並行して、お子さんと実際に関わりながら様子を見ます。

おもちゃで遊んだり、絵本を読んだり、簡単なやりとりをしたり——子どもにとっては「遊んでいるだけ」の時間です。その中で、「どんな言葉を使うか」「大人の話をどのくらい理解しているか」「コミュニケーションの取り方はどうか」などを自然な形で確認します。

白衣を着た専門家に囲まれて、難しい問題を解かされる——そんなイメージとは全く違います。子どもが緊張しないよう、環境や関わり方を丁寧に調整しながら進めます。

③ 必要に応じて検査へ

初回の様子を踏まえて、より詳しく確認が必要な場合に検査を行います。1回目の相談で全てが決まることは少なく、2〜3回かけて状況を把握していくことも珍しくありません。「1回で答えを出さなければ」と焦る必要はありません。

ことばの検査ってどんなことをするの?

「検査」と聞くと身構えてしまう親御さんも多いですが、子どものことば検査は遊びに近い形式で行われます。「これなーんだ!」「この絵は何?」といった問いかけに答えたり、絵カードを使ったやりとりをしたりするものが中心で、お子さんへの身体的な負担はほとんどありません。

よく使われる検査を、難しい専門用語を使わずに紹介します。

国リハ式S-S法 言語発達検査

ことばの理解と表現、コミュニケーション面に特化した検査です。形を弁別する力等の認知面の検査もあるので、ことばだけでなく、認知・社会性なども含めた全体的な発達のバランスを確認する検査です。「ことばだけが遅いのか、それとも全体的にゆっくりなのか」をみることができます。

LCスケール(言語・コミュニケーション発達スケール)

ことばの理解と表現をより詳しく確認する検査です。「言われていることはわかるか」「自分の気持ちや考えを言葉にできるか」という両方の側面を調べます。

PVT-R絵画語彙発達検査

絵を見て言葉を答える形式で、語彙力(知っている言葉の量)を確認します。短時間でできるため、他の検査と組み合わせて使われることが多いです。

検査の結果は「点数で子どもを評価するため」に使うのではなく、「その子に合った支援の方向性を決めるため」に使います。数字に一喜一憂する必要はありません。

お子さんの発達の目安が気になる方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
子どものことばの発達チェックリスト【1歳〜5歳】

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訓練・療育では何をするの?

「訓練」と聞くと、厳しく反復練習をさせられるイメージを持つ方もいます。でも実際は遊びが中心です。

個別セッションは30〜45分程度。おもちゃや絵本、カードゲームなどを使いながら、「その子が今できること」を活かして、「少し難しいこと」に挑戦していく形で進めます。子どもが「楽しい」と感じながら取り組めることが、ことばの発達につながる一番の近道だからです。

セッションの後には、親御さんへのフィードバックの時間があります。「今日はこんな様子でした」「家ではこんな関わりをしてみてください」といったアドバイスをお伝えします。家庭での関わりが、訓練と同じくらい——いや、それ以上に大切だからです。

家庭でできる具体的な関わり方はこちらをご覧ください。
ことばが遅い子への話しかけ方10のコツ

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どこに行けばいい?費用はかかる?

受けられる場所

言語聴覚士による相談・訓練は、主に以下の場所で受けられます。

療育センター・発達支援センター:市区町村が運営していることが多く、専門性が高いです。ただし、予約から初回相談まで数ヶ月待つケースも少なくありません。

病院(小児科・耳鼻科・リハビリ科など):医師の指示のもとで訓練を受ける形が多く、保険適用になる場合があります。

民間の児童発達支援事業所:通所受給者証があれば自己負担を抑えて通えます。療育センターより予約が取りやすい場合があります。

ことばの教室(就学後):小学校に入ってから、発音やことばの遅れがある子どもを対象に学校内で行われる指導です。教員が対応している地域、言語聴覚士が対応している地域があります。

費用・手続きについて

療育センターや病院では、健康保険や自立支援医療制度が適用されることが多く、自己負担は比較的少なくなります。民間の児童発達支援は、通所受給者証を取得することで自己負担を1割程度に抑えられます(所得により上限あり)。

まず最初の一歩としては、かかりつけの小児科市区町村の子育て相談窓口・保健センターに「ことばのことを相談したい」と伝えるのが最もスムーズです。地域によっては、保健センターにいる言語聴覚士に相談することができます。また、適切な機関につないでもらえます。

相談先の選び方について詳しくはこちら。
子どものことば、いつ相談すればいい?相談のタイミングと選び方

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まとめ

  • 言語聴覚士はことば・きこえの国家資格を持つ専門家。「一緒に考えるパートナー」というイメージが近いです
  • 初回相談は聞き取りと観察が中心。いきなり難しい検査はしません
  • ことばの検査は遊びに近い形式で行われ、子どもへの負担は少ないです
  • 訓練・療育は遊びが中心。セッション後に親御さんへのフィードバックがあります
  • まず小児科か市区町村の相談窓口に「ことばのことを相談したい」と伝えるのが最初の一歩です
  • 「診断されに行く」ではなく「一緒に考えてもらいに行く」——その気持ちで、まず動いてみてください
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現役言語聴覚士(ST)
こんにちは。言語聴覚士(ST)の「こん」です。 1999年に言語聴覚士の資格を取得後、保健センターでの相談業務を経て、25年以上にわたり小児専門のSTとして療育・発達支援の現場で働いてきました。現在も現役STとして、ことばの発達に悩むお子さんと日々関わっています。 臨床の現場で感じることがあります。ことばがゆっくりなお子さんを持つパパ・ママが、毎日どれだけ迷いながら、心配しながら子育てをしているか、ということです。 「もっと楽しく子育てしてほしい」——そんな思いでこのブログを始めました。 25年以上の臨床経験をもとに、今日から家庭で実践できる関わり方・遊び・おもちゃ・絵本の使い方を、専門家の視点でわかりやすくお届けします。一人で悩まずに、ぜひ一緒に考えていきましょう。
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