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発音・吃音

たちつてとが言えない(ちゃちちゅちぇちょになる)原因と練習法|言語聴覚士が解説

たちつてとが言えない
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ことばの発達サポートガイド

この記事の執筆・監修

STこん(言語聴覚士)

国家資格・言語聴覚士|小児専門25年以上|発音・ことばの遅れ・吃音の臨床を担当。「育て方の問題ではない」という視点と、ことばの理解力を大切にという思いで、保護者が安心して読める情報を発信しています。

「たこ」が「ちゃこ」、「て」が「ちぇ」——お子さんが「た行」を「ちゃちちゅちぇちょ」と発音していませんか?「いつになったら言えるようになる?」「様子を見ていていい年齢はどこまで?」と不安になりますよね。

この記事では、言語聴覚士として25年以上の臨床経験をもとに、「たちつてとが言えない」原因・年齢別の判断基準・家庭でできること・専門家への相談タイミングをわかりやすく解説します。

「たちつてと」はいつごろ言えるようになる?

タ行(た・ち・つ・て・と)は、舌の先を上の前歯の裏(歯茎)にあてて息を破裂させることで出す音です。舌の動きとしては比較的シンプルで、一般的に2〜3歳ごろに習得されます。

カ行(3〜4歳ごろ)やサ行(4〜5歳ごろ)と比べると、タ行は早めに習得される音です。ただし発音の発達には個人差があり、「まだ言えない」と焦りすぎなくても大丈夫な時期もあります。

ST「こん」
ST「こん」

「まだちゃちちゅちぇちょって言ってる…」と心配するお母さんが多いですが、3歳前後なら自然な発達の範囲であることがほとんどです。年齢別の目安を確認してみてください。

何歳まで様子見でいい?年齢別チェックポイント

「ちゃちちゅちぇちょ」への置き換えは、ある年齢までは正常な発達の一部です。年齢ごとに何を確認すべきかを整理します。

2歳ごろ:ほとんど問題なし

2歳代で「たちつてと」が「ちゃちちゅちぇちょ」になるのはごく自然です。この時期はまだ舌の細かいコントロールが発達途中。発音よりも、ことばの数や理解力が育っているかどうかを気にするほうが大切です。

確認ポイント:2語文(「ワンワンきた」など)が出ているか、指差しをするか。発音よりもことばの理解・表現が育っているかを優先して見てください。

3歳ごろ:様子見でOK、ただし観察を

3歳でも「ちゃちちゅちぇちょ」になることはよくあります。多くの子は3歳台のうちに自然に改善していきます。発音の誤りが「たちつてと」だけに限られており、日常会話が成立しているなら焦る必要はありません。

要観察:他の行(カ行・サ行など)でも気になる音が多い場合や、ことば全体が不明瞭で聞き取りにくい場合は、3歳健診や保健センターで相談しておくと安心です。

ST「こん」
ST「こん」

3歳健診は発音のことを相談するいい機会です。「たちつてとがちゃちちゅちぇちょになる」と伝えると、保健師さんや言語聴覚士が判断してくれます。気になっているなら、ぜひ活用してください。

4歳ごろ:改善が見られなければ相談を

4歳を過ぎても「ちゃちちゅちぇちょ」が続いている場合は、自然には治りにくくなっていることもあります。4歳は言語聴覚士への相談を本格的に考えはじめる目安の年齢です。

この時期に相談すると、「今は練習より様子見」「もう訓練を始めた方がいい」など、専門家の具体的な方針が聞けます。保健センターや療育センターに「発音が気になる」と電話するだけでOKです。

STこん
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私のところに来るお子さんで、4歳で「ちゃちちゅちぇちょ」が残っている場合、舌の動かし方を意識的に練習することで、数か月で改善するケースが多いです。早めに動いたほうが本人への負担も少なくなります。

5〜6歳ごろ:就学前に専門家へ

5〜6歳(就学前)まで「ちゃちちゅちぇちょ」が続いている場合は、早めに言語聴覚士へ相談することをおすすめします。小学校入学後は音読・発表の機会が増え、発音の誤りが本人のストレスになりやすいためです。

就学前に発音訓練を受ければ、入学までに改善が間に合う可能性が十分あります。「もうすぐ小学生なのに」と焦る前に、まず相談の電話を一本かけてみてください。

小学生になっても続く場合

小学生になってからも「たちつてと」が「ちゃちちゅちぇちょ」になる場合は、できるだけ早く言語聴覚士に相談してください。自然に治ることは少なく、専門的な練習が必要なことがほとんどです。

また、「うまく言えない」「笑われた」とお子さん自身が気にしているなら、年齢に関わらず早急に動いてください。自己肯定感への影響を最小限にするためにも、専門家によるサポートが大切です。

「タ行」が言えない原因とパターン

タ行の発音の誤りには、主に以下のパターンがあります。

1.「タ行」が「チャ行」に置き換わる(最も多いパターン)

「たこ」→「ちゃこ」、「とんぼ」→「ちょんぼ」のように、タ行がまるごとチャ行に置き換わるパターンです。舌の先を歯茎にあてる動作がまだ不安定なため、奥の方でまとめて発音するチャ行になりやすいのです。

2.「ダ行」が「ザ行」に置き換わる

タ行・ダ行はペアになっている音(タ行が無声・ダ行が有声)。「でんしゃ」→「ぜんしゃ」、「どうぞ」→「じょうじょ」のようにダ行もザ行になるケースがよく見られます。タ行と一緒に確認してみてください。

3. 全体的に不明瞭で聞き取りにくい

タ行だけでなく、全体的に発音がこもって聞き取りにくいケースもあります。口の開き方や舌の力が不十分なことが多い原因です。この場合は他の音にも誤りが見られることが多く、より早めの相談をおすすめします。

STこん
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極まれに、口・舌・あごの構造上の問題(舌小帯が短いなど)が発音に影響することがあります。「なんとなく口の動きがおかしい」「鼻から空気が漏れている気がする」と感じたら、耳鼻科や歯科にも相談してみてください。

家庭でできること|遊びを通じた口・舌の発達

タ行は比較的早く習得される音のため、カ行の「うがい練習」やサ行のような直接的な発音練習は必要ありません。それよりも、日常の遊びのなかで口や舌をたくさん動かすことが自然な発音発達につながります。

① 舌を意識する遊び

「あっかんべー」と舌を出す遊び、舌を上・下・右・左に動かすまねっこ遊びがおすすめです。アイスクリームやペロペロキャンディを舐める動きも、舌を意識的に使うよい練習になります。

② 口の筋力をアップする遊び

「にらめっこしましょ、あっぷっぷ」や頬をふくらませてつつく遊びで、口まわりの筋肉を意識させましょう。ストローでジュースを飲む、シャボン玉を吹くなども口輪筋のトレーニングになります。

③ 擬音語・まねっこ発音遊び

「ピンポーン」「チン」「ブッブー」など擬音語を使った音あてクイズや、擬音語が豊富な絵本の読み聞かせが効果的です。正しい発音を「矯正する」ではなく、正しい音を楽しく「聞かせる」ことが大切です。

ST「こん」
ST「こん」

お子さんが「ちゃこ!」と言ったとき、「違う!たこって言って!」と直さず、「そうだね、たこ、だね」と自然に正しい音を繰り返してあげましょう。これが一番穏やかで効果的なサポートです。

④ 身体を思い切り動かす遊び

発音には舌や唇を繊細にコントロールする力が必要です。そのためにはまず、身体全体を大きく動かせる力の土台が必要です。公園で走る・登る・跳ぶなど、全身を使った遊びを十分に経験させてあげてください。

⑤ 手先の細かい動きを育てる

スプーン・フォークで自分で食べる、クレヨンでお絵かき、小さいおやつを指先でつまむ——こうした手先の動きが上手になると、口や舌の細かいコントロールも伴って育っていきます。親が手を出しすぎず、子どもが試行錯誤する場面を増やしてください。

これらの遊びの詳しいやり方は、こちらの記事で解説しています。

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言語聴覚士への相談のタイミング

以下に当てはまる場合は、言語聴覚士などの専門家に相談することをおすすめします。

  • 4歳を過ぎても「ちゃちちゅちぇちょ」が続いている
  • お子さん自身が「うまく言えない」「笑われた」と気にしている
  • 就学前(6歳まで)に改善しておきたい
  • タ行以外にも気になる発音がある(カ行・サ行など複数の音)
  • 全体的に話が聞き取りにくく、家族以外に伝わりにくい

相談先の探し方

  • 保健センター:「発音が気になるので相談したい」と電話するだけで、言語聴覚士の相談日や専門機関を案内してもらえます
  • 療育センター・発達支援センター:言語聴覚士が常駐していることが多く、発音訓練も行っています
  • かかりつけ小児科:発音について相談すると、適切な相談先を紹介してもらえます
  • 耳鼻科:口・舌・あごの構造面の問題がないか確認してもらえます
  • 都道府県の言語聴覚士協会:「○○県 言語聴覚士協会」と検索すると地域の相談先が見つかります
STこん
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「相談するほどでもないかな」と思って後回しにするより、「気になるから聞いてみよう」と早めに動くことで、専門家の判断を早く得られます。「今はまだ様子見で大丈夫」という答えが返ってくることも多く、それだけで安心できますよ。

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まとめ

  • タ行は2〜3歳ごろに習得される比較的早い音。「ちゃちちゅちぇちょ」への置き換えは3歳ごろまでは自然な発達の一部
  • 4歳を過ぎても続く場合は言語聴覚士への相談を本格的に検討するタイミング
  • 就学前(5〜6歳)までに改善しておくと、小学校での音読・発表でのストレスを防げる
  • 家庭では直接的な発音練習より、遊びや身体・手先を使う活動を通じた自然な発達サポートが有効
  • お子さん自身が発音を気にしている場合は、年齢に関わらず早めに専門家へ
STこん
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「ちゃちちゅちぇちょ」という誤りは、お子さんが一生懸命ことばを習得しようとしている証です。焦らず、正しい音を繰り返し聞かせながら、必要なときは専門家を頼ってください。一人で抱え込まなくていいですよ。

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よくある質問(FAQ)

Q. 「ちゃちちゅちぇちょ」になるのはいつごろまで自然ですか?

3〜4歳ごろまでは自然な発音の誤りです。タ行は2〜3歳で習得される音ですが、個人差があります。4歳を過ぎても続く場合は言語聴覚士への相談を検討してください。

Q. 3歳ですがまだ「ちゃちちゅちぇちょ」と言っています。大丈夫ですか?

3歳での「ちゃちちゅちぇちょ」はよく見られる自然な誤りです。日常会話が成り立っており、他の音も大きく気にならなければ、もう少し様子を見て大丈夫です。ただし次の3歳健診で相談しておくと安心です。

Q. 4歳になっても「たちつてと」が言えません。受診すべきですか?

4歳を過ぎてもタ行の置き換えが続くなら、言語聴覚士への相談をおすすめします。保健センターに「発音が気になる」と電話するだけで相談先を案内してもらえます。「まだ様子見でいい」か「訓練が必要か」を専門家に判断してもらうのが一番安心です。

Q. 5歳・6歳でも「ちゃちちゅちぇちょ」が続いています。どうすればいいですか?

就学前(5〜6歳)まで続いている場合は、できるだけ早く言語聴覚士に相談してください。小学校での音読や発表で本人がつらい思いをしないよう、入学前に改善を目指すことが大切です。療育センターや保健センターにすぐに相談を。

Q. たちつてとが言えないのはなぜですか?

「た行」は舌先を上の前歯の裏(歯茎)につける動きが必要です。幼い子どもはまだこの動きが未熟なため、奥でまとめて発音する「ちゃちちゅちぇちょ」になりやすいのです。舌の動きの発達とともに自然に改善することが多いですが、4歳以降は専門家への相談が安心です。

Q. 家庭でたちつてとの練習をするとよいですか?

意識的にやりすぎると子どもがプレッシャーを感じることがあります。日常会話の中で正しい音を自然に繰り返し聞かせること(「ちゃこ→そうだね、たこ、だね」)が最も効果的で穏やかなサポートです。改善が見られない場合は言語聴覚士に相談しましょう。

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現役言語聴覚士(ST)
こんにちは。言語聴覚士(ST)の「こん」です。 1999年に言語聴覚士の資格を取得後、保健センターでの相談業務を経て、25年以上にわたり小児専門のSTとして療育・発達支援の現場で働いてきました。現在も現役STとして、ことばの発達に悩むお子さんと日々関わっています。 臨床の現場で感じることがあります。ことばがゆっくりなお子さんを持つパパ・ママが、毎日どれだけ迷いながら、心配しながら子育てをしているか、ということです。 「もっと楽しく子育てしてほしい」——そんな思いでこのブログを始めました。 25年以上の臨床経験をもとに、今日から家庭で実践できる関わり方・遊び・おもちゃ・絵本の使い方を、専門家の視点でわかりやすくお届けします。一人で悩まずに、ぜひ一緒に考えていきましょう。
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