ことばの発達を促すおもちゃ・絵本13選|言語聴覚士が1歳・2歳・3歳の年齢別に厳選
「ことばが遅い子には、どんなおもちゃを買えばいいんだろう」
「せっかく買っても、ことばの発達に効果があるのかわからない」
「本やネットで調べると情報が多すぎて、結局何を選べばいいのか迷ってしまう」
そんなふうに悩んでいるパパ・ママへ、この記事を書きました。
こんにちは。現役言語聴覚士(ST)の「こん」です。療育センターで10年以上、ことばの発達が気になるお子さんと関わってきた経験から、実際に現在も臨床の現場で使っているおもちゃと絵本を厳選してお伝えします。
この記事では、
- ことばの発達を促すおもちゃ・絵本の選び方4つのポイント
- 1歳・2歳・3歳の年齢別おすすめ13選
- おもちゃ・絵本を使った「効果的な遊び方」のコツ
をSTの視点からわかりやすくお伝えします。ぜひ参考にしてみてください。
ことばの発達を促すおもちゃ・絵本 選び方4つのポイント
「知育玩具」というだけで、すべてのおもちゃがことばの発達に効くわけではありません。STの視点から、「ことばの発達を促す」おもちゃ・絵本に共通する3つのポイントをお伝えします。
ポイント① 子どもが主体的に操作できる
大人が動かして見せるだけのおもちゃより、子ども自身が「やってみたい!」と手を伸ばして操作できるものの方が、ことばが出やすくなります。子どもが自分で動かし、結果を確認する体験の中で、「もっかい!」「こっち!」などの要求語が自然に生まれます。
ポイント② 大人と一緒に遊べる
ことばは「やりとり」の中で育ちます。一人でも遊べるおもちゃより、大人と顔を見合わせながら遊べるもの、大人が「あ!すごい!」と実況できるものを選ぶことが大切です。
ポイント③ 語彙のバリエーションが豊富
「いぬ」「コップ」などの名詞だけでなく、「ふわふわ」「おおきい」「のむ」など、形容詞・動詞がバランスよく出てくるおもちゃ・絵本が理想的です。語彙の幅が広がることで、理解力が伸び、より豊かな表現力につながります。
ポイント④ ことばが自然に出る仕掛けがある
遊びの中で「でた!」「たかい!」「ころころ!」など、感嘆詞や擬音語、動詞が自然に出やすい構造のおもちゃが理想的です。ことばは「楽しい体験」とセットで覚えると定着しやすくなります。

この3つのポイントを満たすおもちゃは、どれも「子どもと大人が一緒に楽しめる」ものです。高価なおもちゃより、親子で一緒に遊ぶことがことばの発達には大切です。
【年齢別】ことばの発達を促すおもちゃ・絵本13選
1歳向け おもちゃ3点・絵本2点
おもちゃ① アンパンマンことばずかん
タッチペンでページをタッチすると、イラストの名前や音が流れる音声つき図鑑です。「りんご」「わんわん」など、日常にあふれる語彙を繰り返し聞くことができ、語彙のインプットに最適です。

1歳〜2歳のことばのインプット期に特におすすめです。「タッチする→音が出る」という因果関係がわかりやすく、子どもが自分でどんどん操作してくれます。ただし、あくまで「聞くおもちゃ」なので、大人が一緒に「これ、りんごだね」と声をかけながら使うとより効果的です。
→ 詳しい使い方はこちらをお読みください
おもちゃ② くもん STEP0 はじめての1ピースパズルはめ絵
動物・乗り物などのイラストが1ピースのパズルになっており、はめ込んで遊ぶシンプルなおもちゃです。絵の名前を伝えながら一緒に遊ぶことで、語彙のインプットと考える力、指先の発達を同時に促せます。

「これなあに?」「ぞうさんだよ」「はまったね!」と自然に声かけができ、大人とのやりとりが生まれやすいおもちゃです。STEP0は1歳からでも扱いやすいサイズ感で、達成感が得られやすいのも魅力です。
おもちゃ③ エドインター 森のうんどう会(スロープトイ)
ボールをスロープに乗せると、コースをころころと転がり落ちていくおもちゃです。シンプルな構造ですが、「ころころ」「おちた!」「またやって!」など、擬音語・動詞・要求語が次々と引き出されます。

ことばの発達において「要求する力」はとても大切です。「もう1回やってほしい」という気持ちが「もっかい!」「やって!」ということばにつながります。スロープトイはその「もう1回やりたい!」という気持ちを自然に引き出してくれる、臨床でも大人気なおもちゃです。
絵本① だるまさんシリーズ(かがくいひろし・ブロンズ新社)
「だるまさんが…どてっ」「だるまさんと…ぺたっ」というリズミカルな繰り返し表現と、ユーモラスなイラストが特徴の大人気シリーズです。

繰り返しの表現は、ことばの発達において非常に大切です。同じことばを何度も聞くことで、音とイメージが脳の中でつながっていきます。読むたびに子どもが「どてっ!」と一緒に言いたがるようになったら、ことばが育ってきているサインです。
絵本② ノンタンの赤ちゃん絵本シリーズ(キヨノサチコ・偕成社)
おなじみのノンタンが登場する赤ちゃん向けシリーズ。「はみがきはーみー」「おしっこしーしー」など、子どもの日常の場面がくり返しのリズム良い短いことばで描かれています。

ことばが出始める頃の段階(1歳)には、短くてわかりやすいことばの絵本が最適です。さらに、リズムのよいことばが繰り返されることも、子どもが聞きやすく、真似しやすいので、おすすめです。
2歳向け おもちゃ3点・絵本1点
おもちゃ④ メルちゃんお人形遊びセット(パイロットインキ)
やわらかい素材でできたお人形と、ミルクやベッドなどのお世話グッズがセットになっています。2歳ごろから盛んになる「ごっこ遊び」の中で、日常のことばが自然に育まれます。

お人形遊びは、ことばの発達において最高の練習場です。「ねんねするよ」「おなかすいた?」「よしよし」など、大人に言われてきたことばを再現しながら遊ぶ中で、語彙と文の使い方が定着していきます。女の子だけでなく、男の子にもぜひ試してほしいおもちゃです。
おもちゃ⑤ 磁石でくっつく木製電車&木製レール
磁石でつなげる木製の電車と、組み合わせ自由なレールのセットです。「つなげて!」「はしれ!」「とまれ!」など、動詞や要求語が次々と出やすい遊びです。

電車をつなげる→走らせる→止める、という一連の動作の中に、ことばが出るきっかけがたくさん詰まっています。大人が「つながった!」「はやいね!」と実況しながら一緒に遊ぶことで、子どもは自然にそのことばを吸収していきます。レールのつなぎ方を変えることで、何度遊んでも飽きないのも魅力です。
おもちゃ⑥ 学研ニューブロック(学研ステイフル)
カラフルで軽く、2歳の子どもでも簡単に組み立てられるブロックです。車・家・動物など、自由な発想で形を作りながら遊べます。

ブロック遊びでは、形をつくるだけでなく、「すごく長くしてみよう」とひたすら組み合わせたり、「何を作ろうか」「これ、おうちみたいね」とイメージしてみたり、親子あそびをすることでことばが豊かになる仕掛けがいっぱいです。
絵本③ ノンタンシリーズ(キヨノサチコ・偕成社)
「あわあわぷくぷく」「ブランコのせて」「おやすみなさい」など、お風呂、就寝等のこどもの日常の場面が短いことばで描かれています。と、子どもの日常に近い感情・場面が豊富に描かれているシリーズです。

子どもの毎日の経験に沿ったことばが絵本を通して楽しめます。生活とことばが自然とつながってくるとてもおすすめのシリーズです。2歳ごろは自我が芽生え、気持ちを伝えたいけれどうまくことばにできない時期。ノンタンの場面を通じて、気持ちのことばを覚えることができます。
3歳向け おもちゃ3点・絵本1点
おもちゃ⑦ きかんしゃトーマス 10までつなげて(学研ステイフル)
トーマスのキャラクターを数字順につなげながら、数・色・順番を楽しく学べる知育玩具です。「1番はトーマス!」「次は2番!」など、数の語彙が遊びの中に自然に組み込まれています。

臨床の現場でも実際によく使っているおもちゃです。キャラクターへの興味が強い3歳前後のお子さんが夢中になる要素「キャラクター、数字、乗り物、動物、走らせる」がすべて詰め込まれたおもちゃです。数やことばの発達を同時にサポートできる一石二鳥のおもちゃです。
→ 詳しい遊び方はこちらからどうぞ!
おもちゃ⑧ おままごとキッチン
コンロ・オーブン・水道などがついた本格的なキッチンセット。フライパンや調味料などと組み合わせて、料理のごっこ遊びが楽しめます。

3歳になると、ごっこ遊びが一気に発展します。「いらっしゃいませ!」「何にしますか?」「できました!」など、会話をしながら遊ぶロールプレイは、ことばの実践練習そのものです。大人が一緒にお客さん役・店員役を交代しながら遊ぶことで、質問する力・答える力が育ちます。
おもちゃ⑨ ブロック系おもちゃ:レゴ DUPLO & マグ・フォーマー
レゴ DUPLO(デュプロ)は、通常のレゴの2倍サイズで、3歳の子どもでも安心して扱える幼児向けブロックです。動物・乗り物・建物など、想像力を使ってさまざまな形が作れます。
マグ・フォーマーは、磁石が内蔵された三角形・四角形などのピースを組み合わせて平面・立体を作るブロックです。独特の磁力でくっつく感覚が楽しく、より複雑な構造物を作ることができます。
どちらも「形を組み合わせて作る」タイプのおもちゃです。3歳前後はデュプロから始め、慣れてきたらマグ・フォーマーへとステップアップするのもおすすめです。

ブロック系おもちゃは、「見て!こんなの作った!」「これはロケット!」「ここに窓つける」など、説明語彙が爆発的に増えるおもちゃです。自分の作品を大人に伝えようとする「説明する力」は、ことばの発達において非常に重要なステップ。ぜひ、完成した作品をたくさんほめてあげましょう。
絵本④ パオちゃんシリーズ(はやしきみこ・ひさかたチャイルド)
ゾウのパオちゃんが主人公の絵本シリーズです。子どもが実際に経験する様々なイベントから友だちとの関わりや感情表現が丁寧に描かれており、3歳のお子さんに親しみやすいストーリー展開が特徴です。

3歳になると、少しストーリーのある絵本が楽しめるようになります。パオちゃんが経験する「おつかい」「かいすいよく」「うんどうかい」「クリスマス」等のイベントをお子さんそれぞれの経験と合わせて親子でお話するのがオススメ。
おもちゃ・絵本を使った「効果的な遊び方」のコツ
どんなに良いおもちゃを買っても、置いておくだけではことばの発達は促されません。大切なのは「大人の関わり方」です。
コツ① 子どもの行動を実況中継する
「あ、ころころってしたね」「電車、つながったね」「ブロック、たかくなってきたね」と、子どもの動きをそのままことばにして伝えましょう。子どもはこの「実況」を聞きながら、ことばと体験を結びつけていきます。
コツ② 「ちょっと待つ」勇気を持つ
子どもが何かを伝えようとしているとき、すぐに代わりにことばにしてあげるより、「うん?なに?」と少し待ってみましょう。子どもがことばを出そうとする「間」を大切にすることで、自分から発語しようとする力が育ちます。
コツ③ 「できた・すごい」よりも「共感ことば」を
「上手!」「すごいね!」という評価よりも、「わあ!たかくなったね!」「きれいな色だね」のように、子どもと一緒に感じることばをかけましょう。共感ことばは、子どもが「もっと伝えたい」という気持ちを引き出します。
関わり方のコツについては、こちらの記事でも詳しくお伝えしています。
→ 「3歳なのにことばが遅い・少ない」が心配なパパ・ママへ|原因と家庭でできる対応を現役言語聴覚士が解説

まとめ
最後に、この記事のポイントを整理します。
① ことばの発達を促すおもちゃは「操作できる・一緒に遊べる・語彙のバリエーションが豊富・ことばが出る仕掛けがある」の4点で選ぼう
どんなに人気のおもちゃでも、大人との関わりがなければ効果は半減します。
② 年齢に合ったおもちゃ・絵本を選ぼう
1歳はインプット重視、2歳はごっこ遊び・操作遊び、3歳はロールプレイ・構成遊びが発語を促します。
③ 買ったあとの「関わり方」が一番大切
実況・共感・少し待つ。この3つを意識するだけで、おもちゃの効果が大きく変わります。

おもちゃはことばの発達を「サポートするもの」であって、「させるもの」ではありません。どのおもちゃでも、大人が一緒に楽しく遊ぶことがことばの発達促進につながります。「何を買えばいいか」より「どう関わるか」を大切にしましょう。それだけで、お子さんのことばは必ず動き出します。
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