4歳なのに「ことばが遅い・少ない」が心配なパパ・ママへ|原因と家庭でできる対応を現役言語聴覚士が解説
「4歳になったのに、まだことばが少ない気がする」
「幼稚園・保育園の先生から、ことばのことを指摘された」
「小学校まであと2年…このまま様子を見ていて大丈夫なの?」
そんな不安を抱えながら、このページを開いてくださったのではないでしょうか。
こんにちは。現役言語聴覚士(ST)の「こん」です。毎日、ことばの発達が気になるお子さんと関わりながら、パパ・ママのご相談にも乗っています。
4歳は、就学を意識し始める年齢です。友だちとの関わりが増える中で、ことばの遅れや発達の特性が目立ちはじめることも多い時期です。
この記事では、
- 4歳のことばの発達目安
- ことばが遅くなる原因(特に発達特性について)
- 「様子見でOK」と「早めに相談すべき」の見分け方
- 家庭でできる関わり方3つのコツ
- 相談先・就学に向けた支援機関の選び方
をSTの視点からわかりやすくお伝えします。「うちの子は大丈夫?」をこの記事で確認してみてください。
4歳のことばの発達目安|まずここをチェックしよう
4歳ごろの「標準的なことばの発達」を確認しましょう。以下は目安です。個人差があるため、すべてを満たさなければNGというわけではありませんが、参考にしてみてください。
4歳ごろの発達目安
| チェック項目 | 目安 |
|---|---|
| 語彙数 | 1,500〜2,000語程度 ・物の名前だけでなく、物の細部の名前がわかる。 例:鳥だけでなく「くちばし」「はね」等 ・概念語がわかる。「野菜」「男の子・女の子」「仲間」 |
| 文の長さ | 4〜5語文 例「きのう こうえんで おともだちと おにごっこした」など |
| 時制の理解 | 「昨日」「明日」など時間の流れがわかる。過去形を使える。 例「明日は保育園お休みだよ」がわかる |
| 理由を言える | 「〜だから〜した」と理由を説明できる |
| 人と人との関係性の理解 | 人と人の関係を示すことばが理解できる 「〇〇ちゃんが△△くんをたたいた」 |
| 友だちとのやりとり | 友だちと会話を続けながら遊べる |

4歳になると友だちとの関わりが増え「人と人との関係をことばで理解する力」が育ってきます。「〇〇ちゃんが△△くんをたたいた」という文を聞いて、誰が何をしたかを正しく理解できるかどうかは、友だちとのやりとりや集団生活の基盤になります。
より詳しい年齢別のことばの発達チェックリストはこちらをご覧ください。

4歳でことばの遅れが続くとき、考えられる原因
3歳のころはまだ「個人差の範囲」と言われることも多いことばの遅れですが、4歳になっても続いている場合、背景に発達特性がある可能性を視野に入れることが大切になってきます。
発達特性とことばの遅れ
4歳は友だちとの関わりが増え、集団の中での生活が本格化する時期です。この時期に初めて「なんとなく周りと違う」「コミュニケーションが難しそう」と感じるパパ・ママが増えます。
ことばの遅れに関わる主な発達特性には以下のものがあります。
① 自閉スペクトラム症(ASD)
ことばの遅れに加えて、「目が合いにくい」「特定のこだわりが強い」「友だちとのやりとりが一方的になりがち」などの特徴が見られることがあります。ことばの量は増えていても、「会話のやりとり」が成立しにくい場合もASDの特性として現れることがあります。
② 知的発達症(知的障害)
全体的な発達がゆっくりな場合、ことばも含めた様々な面での遅れが続きます。日常生活の理解・記憶・学習など、ことば以外の面でも気になることが出てくる場合があります。
③ 発達性言語障害(DLD)
知的な遅れやASDの特性はないが、ことばの理解や表現だけが特に難しいタイプです。「話しかけの内容が理解しにくい」「複雑な文を作るのが難しい」などが特徴です。就学後に学習面での困難につながることもあるため、早めの評価と支援が大切です。
④ 聴力の問題
聞こえに問題があると、ことばのインプット自体が不十分になります。乳幼児期から中耳炎を繰り返している場合や、「名前を呼んでも振り向かない」ことが続く場合は、耳鼻科での聴力検査をおすすめします。

4歳になって、ことばの遅れがみられる場合は、何らかの原因があることが多いです。原因を特定するというより、その子に合った関わり方を探っていけるといいですね。
「様子見でOK」vs「早めに相談すべき」4歳版STが見るサイン
「保育園の先生に言われたけど、様子を見ようと思って…」というママ・パパをよく見かけます。でも4歳は、就学まであと2年。早めに動くかどうかで、就学後の生活が大きく変わることがあります。
早めに専門機関に相談することをおすすめするサイン
以下のうち1つでも当てはまる場合は、様子を見るよりも早めに動くことをおすすめします。
- 4歳を過ぎても3語文以下が中心で、文が短い
- 「〇〇ちゃんが△△くんをたたいた」など人と人の関係を示す文が理解しにくい
- 友だちとの会話が一方的になりがち、やりとりが続かない
- 集団の中でのルールや指示が通りにくい
- 「なんで?」「どうして?」という質問に答えるのが難しい
- こだわりが強い、切り替えが難しい
- 名前を呼んでも振り向かないことがある
- 園の先生から「ことば・コミュニケーションが気になる」と言われた
「もう少し様子を見てもよい」ケースの目安
一方、以下のような場合は、引き続き関わりを意識しながら経過を観察する余地があります。
- 4語文は出ていないが、3語文は出ている
- 発音は不明瞭だが、伝えようとする意欲がある
- 友だちとのやりとりはなんとか成立している
ただし、「様子を見ましょう」は「何もしなくていい」ではありません。次のセクションの関わり方を実践しながら、1〜2か月後に変化がなければ相談を検討してください。

4歳で「様子を見て」と言われてモヤモヤしているなら、それはすでに相談するサインです。就学まであと2年、早めに動くことで療育や支援につながる時間が長くなります。「大げさかな」と思わず、まず相談だけでも動いてみてください。
家庭でできる関わり方 3つのコツ
「じゃあ、家では何をすればいい?」というママ・パパへ。4歳向けの関わり方のコツをお伝えします。
コツ① 絵本の読み聞かせで語彙・文の理解を広げる
4歳になると、ストーリーのある絵本を楽しめるようになります。「次はどうなるかな?」「なんでこうなったの?」と問いかけながら読むことで、語彙だけでなく「理由を説明する力」「場面を理解する力」が育ちます。
読み聞かせの後に「一番おもしろかったところはどこ?」と聞いてみるのもおすすめです。ことばで感想を伝える練習になります。
これらは、子どもが選んだ好きな本を繰り返し読むことでだんだんとことばで説明できる力が育ってきます。お子さんの興味のある絵本を繰り返し楽しんでください。
ことばの発達を促すおもちゃ・絵本の選び方はこちらもご参考に。
※4歳でことばが少しゆっくりなお子さんは3歳向けの絵本をオススメします。

コツ② 園での出来事を一緒に話す
「今日は幼稚園(保育園)で何したの?」と聞くと、「遊んだ!」とだけ返ってくると思います。園での出来事の質問を聞いたり、答えたりすることは、ことばの発達を促すチャンスです。
・子どもが「はい」「いいえ」で答えられる質問にしてみる。
・友だちの写真を準備しておいて、「誰と遊んだの?」と聞いてみる
・給食のメニューをあらかじめ確認しておいて、「給食は何を食べたの?」
質問の仕方を少し工夫するだけで、子どもが質問に答えられるようになり、答えることに自身もついて、もっと話したい!と思うようになります。
下記にさらに詳しく書いてあるので、参考にしてください。
コツ③ 話しかけ方を意識する
4歳のお子さんへの話しかけ方で特に大切なのは「一方的に教える」のではなく、お子さんから伝えてきたことをしっかり受け止める姿勢です。
質問攻めにするのではなく、子どもから伝えてくれたときに「そうだね、〇〇だね」と子どもの意見を認めてあげること。そうすることで、もっとママ・パパに伝えたいという意欲が育ちます。
「ちゃんと言って」と急かすより、少し待つこと、子どものことばが足りないときには、さりげなく補うことで、ことばが上手になります。
話しかけ方の具体的なコツについては、こちらの記事もあわせてご覧ください。

コツ④ ことば遊びをしよう
・なぞなぞ遊び
今日のおやつは、冷たくて、棒がついていて、早く食べないと溶けちゃうものだよ」なーんだ!
今日のおでかけは、ブランコがあって、すべり台もあるところに行くよ、どーこだ!
・仲間集め
「くだもの」「赤いもの」「丸いもの」等を大人と子どもが交互に言っていく。
車の中や、お風呂でのやりとりにこの「なぞなぞ遊び」「仲間集め」はオススメです。分からないときは、大人がヒントを出してあげるといいですよ。楽しく取り組むことが何より大事です。
以下の記事も参考にしてください。
コツ⑤ アナログゲームで遊ぼう
黒ひげ、絵合わせゲーム、魚釣りゲーム等の机上でもできる簡単なゲームで遊びましょう。ルールを理解し、人と一緒に遊ぶ中で、様々なことばを理解し、説明できるようになってきます。
以下の記事も参考にしてください。

「特別な訓練をしなければ」と思わなくて大丈夫です。お子さんの興味ある絵本、おもちゃで一緒に遊ぶことで、ことばの土台はしっかり育っていきます。
相談先・支援機関の選び方|就学に向けて早めに動こう
4歳でことばの遅れが気になる場合、「就学までに何ができるか」という視点で動くことが大切です。主な相談先と特徴を整理しました。
相談先の種類と特徴
① 市区町村の保健センター・子育て相談窓口
まず最初に相談するなら、お住まいの市区町村の保健センターがおすすめです。保健師さんがことばの発達について相談に乗ってくれます。言語聴覚士の相談日を設けている自治体も多く、必要に応じて専門機関への紹介もしてもらえます。費用は無料。
② 発達支援センター・療育センター
ことばや発達の専門家による詳しい評価と、継続的な支援(療育)が受けられます。4歳での療育開始は就学前に十分な時間があり、非常に効果的です。自治体によって利用方法が異なるため、まず保健センターに確認しましょう。
③ かかりつけの小児科・発達外来
発達に関する総合的な評価や、専門機関への紹介をしてもらえます。「発達が気になる」と相談すると、発達外来や発達支援センターへの紹介状を書いてもらえることが多いです。聞こえが気になる場合は、耳鼻科へ相談しましょう。
④ 言語聴覚士(ST)がいる病院・クリニック
ことばの専門家による詳しい評価と個別訓練が受けられます。医師の診察が必要になる場合があります。「言語聴覚士 + お住まいの地域名」で検索すると、近くの相談先が見つかります。
就学相談について
4歳〜5歳のうちに専門機関への相談を始めることで、就学前に「通常学級」「特別支援学級」「特別支援学校」などの選択肢を十分に検討する時間が生まれます。
就学相談は、お住まいの市区町村の教育委員会が窓口です。「どんな環境でわが子が一番力を伸ばせるか」を専門家と一緒に考えるための場です。
早めに動くほど、選択肢が広がりますが、お住まいの市町村の教育委員会によって、就学相談のやり方が決まっています。
多くの市町村では年長児(5歳児)になってすぐくらいから、相談が始まっていくようです。4歳はまだ焦らなくて大丈夫ですが、心配であればお住まいの市町村の教育委員会に就学相談について聞いてみてください。

「相談したら何か決められてしまうのでは」と心配するパパ・ママも多いですが、相談はあくまで情報収集です。まだ4歳なので、相談したからといって、すぐに何かが決まるわけではありません。
子どもの言葉の遅れ、どこに相談するかについての詳しい解説はこちら。
→ 子どもの言葉の遅れ、どこに相談する?相談タイミングとおすすめ機関4選【言語聴覚士が解説】
まとめ
この記事のポイントを整理します。
① 4歳のことばの発達目安を知ろう
4〜5語文・時制の理解・人と人との関係を示すことばの理解・友だちとのやりとり。3歳より複雑な言語理解が求められる年齢です。
② 4歳でことばの遅れが続くなら、発達特性の可能性を視野に
ASD・知的発達症・発達性言語障害など、発達特性が背景にある場合があります。友だちとの関わりの中で気になることが増えてきたら、専門家に相談を。
③ 就学まであと2年。早めに動くほど選択肢が広がる
4歳での相談・療育開始は、就学前に十分な支援期間を確保できます。「大げさかな」と思わず、まず保健センターへ。

4歳でことばの遅れが気になっているパパ・ママへ。「まだ大丈夫」と思いながら過ごすより、専門家に相談して「大丈夫」と言ってもらう方が、どれだけ安心できるかわかりません。ぜひ専門家を頼ってください。
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