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1歳でことばが出ない・少ないのは大丈夫?発語より大切な3つのサインを言語聴覚士が解説

1歳でことばが出ない・少ないのは大丈夫?発語より大切な3つのサイン
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「1歳になったのに、まだことばが出ない」「同じ月齢の子はもう『ママ』と言ったのに…」「SNSで見る子はおしゃべりしてるのに、うちの子は喃語(なんご)ばかり」

1歳のお誕生日を迎えると、急に「ことば」のことが気になりはじめますよね。支援センターや児童館で同じ月齢の子と比べて、帰り道に少し落ち込んでしまった——そんな経験をお持ちの方もいるかもしれません。

そんなママ・パパへ、まず結論からお伝えします。1歳でことばが出ない・少ないのは、多くの場合、心配いりません。そしてもちろん、育て方の問題でもありません。

この記事では、療育センターで25年以上働いてきた言語聴覚士の私が、1歳でことばが少なくても心配いらない理由と、発語の数より大切な「3つのサイン」、そして今日からできる関わり方をお伝えします。

ST「こん」
ST「こん」

1歳前後のお子さんの相談で、私が最初に必ずお伝えするのが「初めてのことば(初語)が出る時期には、とても大きな個人差がある」ということです。1歳0ヶ月で出る子もいれば、1歳6ヶ月ごろの子もいます。どちらも正常な発達の範囲です。まずは安心して、この記事を読み進めてくださいね。

1歳でことばが少ないのは「当たり前」である理由

初語の時期には大きな個人差がある

「ママ」「まんま」「ワンワン」など、意味のある初めてのことば(初語)が出る時期は、1歳前後が目安と言われますが、実際には1歳0ヶ月〜1歳6ヶ月ごろまでの幅があります。1歳の誕生日にことばが出ていなくても、発達の道すじから外れているわけではありません。

ことばは「理解」が先、「発語」はあと

ことばの発達には順番があります。話す力より先に、ことばを理解する力が育つのです。1歳ごろのお子さんは、まだ話せなくても「名前を呼ばれると振り向く」「『ちょうだい』で渡してくれる」「『バイバイ』で手を振る」など、大人のことばをたくさん理解しはじめています。この「理解の貯金」が十分にたまると、発語はあとから自然についてくることがほとんどです。

喃語や身振りも、立派な「ことばの前段階」

「ばばば」「だだだ」といった喃語、指さし、手を引っぱって伝えようとする行動——これらはすべて、ことばの土台となるコミュニケーションです。まだ「ことば」の形になっていないだけで、お子さんは毎日たくさん「伝える練習」をしています。

発語の数より大切な「3つのサイン」

では、1歳のお子さんの何を見ればいいのでしょうか。私たち言語聴覚士が発語の数より大切にしているのが、次の3つのサインです。

サイン① 指さし——「伝えたい気持ち」が育っているか

「あれ見て!」「あれが欲しい!」という気持ちを、指を向けて伝えようとする行動です。指さしは、ことばの代わりに気持ちを伝えているもの。指さしをして、ママ・パパの方を向いて視線を合わせてくれていれば、伝えたい気持ちが育っている証拠であり、ことばの発達のもっとも大切な土台です。指さしがしっかり出ていれば、発語がまだでも心配しすぎなくて大丈夫なことが多いです。

サイン② ことばの理解——どれくらい「分かって」いるか

名前を呼ばれると振り向く、「ちょうだい」と手を差し出すと持っているものを渡せる、「ダメ」と言われると手を止める——こうした反応は、ことばを理解している証拠です。また、1歳頃になると「ごはんだよ」「お外行くよ」で喜んだり、「パパ帰ってきたよ」でドアの方を向くなど、発語ゼロでも理解が育っていれば、ことばの土台はしっかりできています。

🔍 家で試せる理解力チェック

お子さんの好きなおもちゃを見せながら「ちょうだい」と手を差し出してみましょう。渡してくれたら、ことばと状況を理解しているサインです。また、お皿を持たずに「ごはんだよ」と声をかけて、食卓の方を見たり寄ってきたりするかも試してみてください。ことばだけで反応できるかが理解力の目安になります。

サイン③ やりとりの楽しさ——気持ちを共有しようとするか

大人と目が合ったときに笑いかける、楽しいことがあったときに「見て見て!」という表情で振り返る、「いないいないばあ」を喜んでまたやってほしがる——こうした気持ちの共有は、ことばの発達のエンジンです。ことばは「誰かに伝えたい」「一緒に楽しみたい」という気持ちの上に育つからです。

ST「こん」
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「ことばが少ない」と相談に来られた1歳のお子さんでも、指さしが出ていて、こちらの言うことをよく理解していて、目が合うとニコッと笑ってくれる——そんなお子さんには「ことばの土台はしっかり育っていますよ」とお伝えしています。発語は氷山の一角。水面下の土台が育っていれば、ことばは必ず姿を現します。

年齢ごとの詳しい目安は、こちらのチェックリストで確認できます。

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1歳のことばを育てる、今日からできる関わり方

① お子さんの見ているものや思いを代弁する

「ブーブー走ったね」「まんま、おいしいね」と、お子さんの見ているもの・していることをそのままことばにして届けましょう。お子さんは体験とことばを結びつけながら、「理解の貯金」をためていきます。教え込む必要はありません。日常の何気ない場面で十分です。

②これからすることをことばで伝える

親子は、ツーカーの仲になっていることが多々あります。「だっこするよ」「おむつかえるよ」「おてて洗おう」「お散歩いくよ」等日々の育児のなかで、これから何をするのか、ことばで伝えましょう。この積み重ねがことばの理解の広がりにつながっていきます。

③喃語や指さしに「お返事」する

「ばばば」と言ったら「そうだね〜」と返す。指さしをしたら「ワンワンだね!」とことばを添える。お子さんの発信に大人が応えることで、「伝えると返ってくる」というやりとりの楽しさが育ちます。これが「もっと伝えたい」という気持ち、つまり発語への意欲につながります。

④絵本やおもちゃで「一緒に楽しむ」時間をつくる

1歳は、ことばの「インプット期」です。リズムのよい繰り返しの絵本や、大人と顔を見合わせて遊べるおもちゃは、ことばの理解を育てる絶好の道具になります。大切なのは教材として使うことではなく、親子で一緒に楽しむこと。楽しい体験とセットで聞いたことばは、ぐっと定着しやすくなります。

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こんな場合は相談を検討してください

1歳時点では基本的に「様子を見て大丈夫」ですが、次のような場合は、1歳6ヶ月健診を待たずに相談してもかまいません。

  • 名前を呼んでも振り向かないことが多い
  • 1歳2ヶ月を過ぎても指さしがまったく出ていない
  • 「バイバイ」「ぱちぱち」など、まねっこ(模倣)がほとんどない
  • 目が合いにくい、あやしても笑顔が少ないと感じる
  • 大きな音に反応しない、ささやき声に気づかないなど、聞こえに不安がある(早めに耳鼻科へ)

相談先は、かかりつけの小児科や市区町村の保健センターが手軽です。「ことばのことが少し気になっています」と伝えるだけで大丈夫。相談は「問題があると認めること」ではなく、「確かめに行く」ことです。「何もなかった」という結果でも、それはとても価値のある安心です。

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1歳台で相談に来られた親御さんから「来てよかった。子どもの好きな遊びも分かったし、私の心配ごとも全部聞いてもらえた」という声をよくいただきます。早く相談することは「心配しすぎ」ではありません。むしろ、お子さんに合った関わり方を早くから知るチャンスです。

1歳6ヶ月健診でことばのことを指摘された場合の流れは、こちらの記事で詳しく解説しています。

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まとめ

  • 1歳でことばが出ない・少ないのは、多くの場合心配いらない。初語の時期には1歳0ヶ月〜1歳6ヶ月ごろまでの大きな個人差がある
  • ことばは「理解が先、発語があと」。発語の数より「どれだけ分かっているか」を見よう
  • 大切なのは3つのサイン——「指さし」「ことばの理解」「やりとりの楽しさ」
  • 関わり方は「実況中継」「お返事」「一緒に楽しむ」の3つで十分
  • 名前に振り向かない・指さしが出ない・まねっこがない場合は、1歳半健診を待たずに相談してもOK

1歳は、ことばが「出る」時期ではなく、ことばを「ためる」時期です。比べない・焦らない・でも気になったら相談する——この3つを心に置きながら、お子さんとの毎日のやりとりを楽しんでください。「うちの子の場合はどうかな?」と個別に気になることがあれば、STこんの無料相談もぜひ活用してくださいね。

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管理人(こん)
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現役言語聴覚士(ST)
こんにちは。言語聴覚士(ST)の「こん」です。 1999年に言語聴覚士の資格を取得後、保健センターでの相談業務を経て、25年以上にわたり小児専門のSTとして療育・発達支援の現場で働いてきました。現在も現役STとして、ことばの発達に悩むお子さんと日々関わっています。 臨床の現場で感じることがあります。ことばがゆっくりなお子さんを持つパパ・ママが、毎日どれだけ迷いながら、心配しながら子育てをしているか、ということです。 「もっと楽しく子育てしてほしい」——そんな思いでこのブログを始めました。 25年以上の臨床経験をもとに、今日から家庭で実践できる関わり方・遊び・おもちゃ・絵本の使い方を、専門家の視点でわかりやすくお届けします。一人で悩まずに、ぜひ一緒に考えていきましょう。
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